福島県南土建工業株式会社
社長メッセージ
大分県生まれの小野亀二郎が、石工として鉄道建設に従事し、白河に落ち着き小野組を創業したのが、明治36年です。その後、戦時中の企業統制令によって、西白河・東白川・石川の建設業を集め、福島県南土建工業株式会社が昭和19年に設立となりました。何回かの企業としての危機を先人たちの努力と地域の方々のご支援をいただき乗り越えて、現在に至っています。
企業は継続が第一であり、社訓にありますように、「常に自己の進路を求め」「障碍に逢い激してその勢力を百倍し」、様々な変化はあっても「その本性を失わざる」ことだと思っています。そして、社員一人ひとりが社是にあるように「希望と報恩と感謝」をもって、平凡なことを非凡に行なうことによって成長し、地域の危機管理産業としての役割も果たしていきます。
今後、私たちの生活環境がどうなるのか予測することはかなり困難です。2020年初めから流行しているコロナ感染症、異常気象といえる豪雨と、私たちの環境は大きく変わってきています。特に、福島県民は、災害のない生活を願うのではないでしょうか。振り返るとこの30数年の間に、8.5水害、8.27豪雨、東日本大震災・原発事故、新潟福島豪雨、そして昨年の台風19号災害と、まさに災害多発県となってしまいました。
東日本大震災で被災者のスピリチュアルケアを続けている方から、こんな話を聞きました。
「日本は災害立国です。この国土は植物多様性のある豊かなものですが、それは災害のおかげである、と逆説的に考えればそうなります。日本の自然風土は豊かな恵みを与えるとともに、あらゆるものを奪います。…地震も津波も私たちの文化です。困難にあった時に、それを背負いながら歩む力が埋め込まれている、ということかと思います。」確かに日本人は、災害からの再生の文化を持っているかもしれません。しかしながら、中途半端な対応は、次の災害への備えとはなりません。同じことを繰り返してはなりません。
人口減少という今までにない時代を考え、安全に住める地域、そうでない地域の区分など含めて、根本的に、防災減災という方向転換を痛感する昨今ですが、いかがでしょうか。地域建設業は就業者減少の中でも、地域の危機管理産業としての使命を果たさなければなりません。
私共もこの使命を認識し、社業に邁進していく所存ですので皆様のご指導、ご協力をお願いいたします。
福島県南土建工業株式会社
代表取締役 小野利廣